オリジナルオーヴァードライブ
2007年 02月 01日
だいぶ前から作るつもりでパーツは買ってあったんですが、ようやく。
ええと。
TubeScreamer系の中でも評判の良いフルトーンのFullDrive2とランドグラフのDynamicOverdriveの回路図を見つけたので、そのへんを参考にしつつ作り始めたんですが、…どうもしっくりこない。
どうしてもTS系の中域に寄ってフィルターかかったような音になっちゃうんですね。
まあ、これがブースターとして使った時にソロをとるには弾きやすい音色でもあるわけですけど、個人的にはちょっと音色が変わりすぎるかなと思います。
で、前回レスポールに内蔵したひよこドライブブースターがなかなか良かったなあと思い出したので、それを叩き台にして、ダイオードのセレクタスイッチ追加、ゲインアップ、トーン回路追加、電源18V化という感じで変更をしてます。
ダイオードセレクトはフルトーンとかランドグラフとか、ハンドメイド系では定番になってるみたいですね。
今回は、Si+Ge/Siの非対称、LEDの対象、クリッピング無しから選べるようにしました。
ゲインは非反転増幅負帰還回路のボリュームを100Kから250Kに換えて2.5倍アップ。単体でもそこそこ歪むようにしてます。
トーンはいろいろ試行錯誤したんですが、結局キャパシタ1個とボリューム1個のギターについてるトーンと同じ回路をボルテージフォロアの前に入れてます。
そして、なんとそこに入ってるキャパシタがカラーコードのバンブルビー。
どこのメーカーでも、ハンドメイドでも、バンブルビーがエフェクターに入ってるのなんか見たことないですよ。
ギター用のローパスフィルターで使うには、僕はバンブルビーが一番好きです。ギターらしい色気と枯れ具合が絶妙。
あと、電源は006P×2で18V駆動してます。ギター用のコンパクトエフェクターって、ほとんど9Vで駆動してますけど、実際のところ、オペアンプって±15Vぐらいで駆動するのが普通なんで、単電源9Vだとかなりギリギリの電圧なんですね。
ヘッドフォンアンプを作った時も思ったんですが、電源に余裕がある方が歪みが少なくてレンジが広くて奥行きのある音が出ます。
ギターだと逆に歪みを積極的に作るんで、特にコンパクトエフェクタの電源ってあんまり問題にされないみたいですけど、でも、やっぱり歪みエフェクターでも電源電圧が大きい方がいい音しますよ。奥行きとハリ、ガッツが出る感じ。
で、中身。
ちょっとゴチャゴチャしてますけど、音色を優先してでかいパーツをいろいろ使ったらこうなってしまいました。
オペアンプはバーブラウンの2604。
オペアンプ周りの回路は基盤上にまとめました。あと、デカいパーツはランドグラフのようにポイント・トゥ・ポイントで空中配線してます。
インプットはクリフで、アウトップットはスイッチクラフト。アウトプットのグラウンド端子で一点アースしてます。
LEDの場所がなんか不自然ですけど、他のパーツと干渉しないように付けたら、ここになりました。
抵抗は一本80円もするDALEのを使ってます。クリアで中低域が太く出ます。イメージとしてはクリーンで鳴らした335のフロント。
ちなみに、高級エフェクタなんかでたまに使われるXiconは、高域の暴れと枯れ具合が、P-90のイメージ。
あと、カップリングコンデンサにはEROのMKT1813の旧型と、あと同じEROのなんか青いちょい古いの。
右上の黄色い四角いのはフィリップスで、非反転増幅の抵抗と直列でグラウンドに落ちてます。
配線は、ホットが定番のギャビットの撚り線、アースも定番の太いエナメル銅単線。
ポットはゲイン、レベルはコスモスですが、真ん中のトーンだけアルファになってます。ちょうどよい抵抗値のがアルファしかなかったんで。
あ、あと、ケースはハモンドです。タカチとほとんどいっしょなんだけど、なんかほんのちょっとだけ高級感があります。
アルミダイキャストって、加工しやすいし、頑丈だし、扱いやすくて好きです。
で、音色ですけど、ほとんど色づけなくそのまま歪みを足す感じでブーストしてくれます。
高域も低域もスポイルされず、逆に中域が変に強調されることもなく、ピッキングニュアンスも殺さず、とても自然ですが、音にはハリとツヤが出ます。
ゲインを上げても、音がつぶれないできちんと歪むし、抜けてきます。
チューブアンプのブースターとして使うと素晴らしいと思います。
とても気に入りました。