GrassRoots LPCのレストア
2006年 12月 27日
今回は某後輩から預かったレスポールカスタムをレストアします。
まずは、現状。
友人からもらったそうですが、まあ、こんな状態のギターなら捨てるか人にあげるかしたくなる気持ちはよくわかります。
しかしなんというか、ボディにラッカーするのはわかるんです。
ただ、ゴールドパーツの上に金色でスプレーするなよ。せめて、パーツはずしてからにしろよ。そして、頼むから指板のマスキングぐらいしろよ。
ここまでの境地に至っているのを見ると、ものぐさとかズボラとかを通り越して、人間としての器の大きさを感じさせますね。はあ。
で、幸いなことにペーパー掛け等の下処理を一切してなかったので、ひとまず全部バラし、シンナー漬けにしてラッカーを落としました。
それだけで割と奇麗になったんですが、よく見るとボディトップとヘッドにラッカーをこそげ落とそうとしてできた引っ掻き傷があるので、細か目の耐水ペーパーで水研ぎ。
ここまでが昨日の夜。
で、今日は仕事帰りにコンパウンドを買って来て仕上げの磨き。
バックパネルとか、エスカッションとかのプラスチック系のパーツはシンナーで洗ったら、案の定、溶けたので、軽くペーパーとコンパウンドで磨いてごまかしました。
で、あとはサクサクっと組み立てて完成。
よく見ると指板の木目に金色が残ってたりしますが、ご愛嬌。
トグルスイッチのプレートは割れたり溶けてたりして、ちょっとアレだったので、省略。
リアピックアップは、カバーの引っ掻き傷が多かったので外してしまいました。個人的にはリアは音色的にもカバードでないほうが好きなので、まあ良しとしておきます。
ひとまずノーマル配線になってますが、トーンはコンデンサをまだ入れてないので効きません。
明日、弾いてみて様子をみながら決めます。
配線材は、ホットがギブソン系では個人的によく使うGEの撚り線、アースラインは普通の電気屋さんで売ってる国産の銅単線ですが、1.2mmとかなり太いので、低音までしっかり出てくれると思います。
で、このギター、値段を考えたら、まずまずよくできてますね。
フレットはオーバーバインディングではないものの、端の処理などはきちんとしてあって好感触。そもそも、オーバーバインディングって、必要性を感じないというか、オーバーバインディングでないほうが、弾く方も作る方もメリットが大きいと思います。
ネックもディープジョイントになってました。まあ、接合部分の精度まではフロントピックアップキャビティを見ただけじゃ分からないんですけど、「この値段でディープジョント!!」とか大げさに宣伝してるわけでもないのに、ディープジョントになってたりすると、やはり好感がもてますね。
ただ、ナットとブリッジサドルがイマイチです。まあ、この価格帯なら相応かなあと思いますが。
しかし、謎なのが、メーカーサイトを見ると、他のレスポールのボディはメイプル+マホガニーなのに、何故かLPカスタムだけはアルダーorバスウッドになってるんですね。
塗り潰しだから安い材を使ったのか、それとも音色の違いを狙ったのかは定かではありませんが。
普通に考えたら、メイプル+マホの方が原価は高いだろうから、LPCの方が安くてもよさそうなのに、定価は一緒。
あ、ゴールドパーツが高いのかなあ?
まあ、それはさておき、明日はコンデンサを決めます。
コンデンサといえば、現行のギブソンにはセラコンがついてるんですが、あれが意外にいい音するというか、今のギブソンにマッチするんですね。
思うに、現行ギブソンって、ピックアップもわりとパワーあるしボディもハイの出ない個体が多いので、わざとセラコンを使って、低域をカットして高域の輪郭を補ってるんじゃないかなあ。
ええと。
トーンは2Toneのつもりですが、気分によっては、2Vol.1Toneにしてバッファアンプかブースター内蔵させるかも。