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真空管アンプ、ギター等のBLOG


by org19
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EL32(VT52)-6922 全段差動P-Pアンプ

いよいよ真打ち登場です。

カーラジオ用と伝え聞く、省ヒーター電力(6.3V/0.2A)トップグリッド管のEL32=VT52を6922でドライブする差動アンプです。
EL32(VT52)-6922 全段差動P-Pアンプ_c0004062_1033528.jpg


去年の8月に作ったEL84差動アンプの出力管を載せ変えたものです。
ドライブ段は変更無しです。
MT管からGT管サイズに穴を拡げるのが意外と重労働でした。

内臓。
EL32(VT52)-6922 全段差動P-Pアンプ_c0004062_10342825.jpg


回路図。
EL32(VT52)-6922 全段差動P-Pアンプ_c0004062_10334222.gif


出力管の動作点は200V/23mA、P損失4.6W、最大出力2.1Wほどです。
アンプ全体の消費電力はB電源で26W、ヒーターで約9W、計35Wほどです。
これぐらいなら夏でもいけるでしょう。見た目よりだいぶ省エネです。
6922単段でのドライブなので、利得は少なめです。
裸利得が3.6~3.9倍、4dB強のNFBをかけて、最終利得がL2.2倍、R2.3倍、DFが2.5ほどとなりました。
一般的には、かなり利得が小さいと思いますが、USBオーディオ出力orCD出力+91dB/mWのスピーカ+6畳間という僕の部屋の条件なら、利得に不足は感じません。
むしろ入力ボリュームのギャングエラーの少ない9時〜3時あたりに設定できるので、ちょうど良い感じです。


このアンプの前世の出力管のEL84は中域の密度が濃い感じで好きなのですが、EL34あたりと比べると、どうしても中低域以下の押し出しというか、部屋全体に音楽の充満する感じというか、そういったものが足りない感じがしました。
しかし、EL34をP-Pステレオで使うのも消費電力が大きく気が引けます。
そこで、省エネなのに力強い音がすると噂のEL32にご登場願った次第。

実際に組んでみてですけど、EL34に引けを取らない音の押し出しと省エネが両立できる隠れた名球だと思います。
トップグリッドの見た目も、通好みな感じで僕は好きです。
内部抵抗が高いので、DFをあげるためにはある程度の負帰還が必要ではありますが。
あんまり褒めると手に入らなくなりそうで心配ですが、良い球だと思いますよ。
by org19 | 2009-05-03 11:00 | オーディオ